活動レポート
DAY3|レポート|基礎講義②地域プロジェクト概論【STAND IBARAKI 2022】
基礎講義2日目は、「はじめの一歩から事業化へ」をテーマに講義を行いました。
大洗町を拠点にまちづくりや茨城県の関係人口創出事業に携わる事務局の佐藤穂奈美さんより、「小さく始めてブラッシュアップしていくプロトタイプの作り方・仮説と検証」について、VUILD株式会社・山川知則さんから「地域への入り方・プロジェクト/プロダクト開発の進め方」を、(有)プラスチャーミング代表取締役・中川ケイジさんからは「クラウドファンディングを活用した資金調達とファンマーケティング」について自身の事業事例をもとにお話しいただきました。
開催概要
<日時>
2022年9月28日(水) 19:30〜21:30 @オンライン
<講師>
◎佐藤 穂奈美さん
株式会社Coelacanth代表取締役
茨城県大洗町出身。2021年より茨城移住計画へ参加。再開発、空き家再生、不動産ファンド、コミュニティビルディングの仕事を経て2020年に茨城にUターンし、独立。まちづくり、茨城県の関係人口創出事業の他、大洗にて、地域とつながる本屋「BOOK & GEAR焚火と本」、地域とつながるWEBサイト「LOCALBOOSTER」の企画・運営をしている。
◎山川 知則さん
VUILD株式会社/波と風 代表/ワークスタイリング テーマエキスパート
茨城県日立市出身。2003年文祥堂に入社。国産木材のオフィス家具シリーズKINOWAをプロデュース。ワーカーを巻き込みながらオフィス空間をつくることを得意としている。2021年よりVUILDに参画。国産木材×デジファブ×建築の掛け算に挑戦中。全体性を発揮して生きることを大切にしている。
◎中川 ケイジさん
有限会社プラスチャーミング 代表/一般社団法人日本ふんどし協会 会長
兵庫県神戸市出身。現在水戸市在住。 2011年ふんどしブランド『sharefun®(しゃれふん)』で起業。縫製は被災地、発送は就労支援作業所と関わる皆がハッピーな循環を目指す。「ソーシャルプロダクツアワード2022」受賞。今年ノーパンで履ける『ととのうパンツ®︎』をリリース。透明性のあるプロダクト作りと、お金をかけずにメディアを巻き込むのが得意。著書2冊。
講義内容をレポート
佐藤さんのお話
▼プロトタイプとは、まずは小さくはじめてみましょう
コンセプトと実践を行ったり来たりしながら進めていくため、プロトタイプは100%でなくてよく、後からの改良を見越して、一旦やってみる。
実行にあたり大切なこと
いったんアクションすることはすごく大切。加えて、後から検証するためにも仮説があったらもっとよい。
▼佐藤さんの事業事例
3つの要素を元に「事業の系」をつくっている
①知らない人に貸したくない→人(借り手・担い手)の可視化
②コミュニティの新陳代謝→人の動線・つながりのデザイン
③住んでたのしい街→街にたのしむ仕掛けをつくる
事業をはじめた当初は、入り口・結節点、出口とコンテンツを決め、できるところからはじめていき2年かけて全てを実行。
▼佐藤さんのプロトタイプとアクション結果からみる仮説検証とは
プロトタイプ
・イベントをする(本を通じて、人と地域を知る)
・お店を作ってみよう(地域とつながるBOOKカフェ「BOOK&GEAR焚火と本」)
アクション結果
・アクションすると仲間が見つかる
・同じような悩み・ニーズを持つ方からリノベーションや不動産活用の依頼を受けるように
仮説検証
「知らない人に貸したくない」というマイナス要因はお店を通じて払拭。
→顔の見える関係性が事業へプラスの影響を与えることがわかった
山川さんのお話
▼これまでの経験から学んだこととは
木材を使ったプロダクト開発、オフィスづくりのためのワークショップ、ワーケーションなどのプロジェクト開発などの幅広い事業に携わった経験からの山川さんの学びを共有。
▼地域への入り方はシンプル
企画を作って、人に話して、応援して、人を紹介して、紹介してもらって、人を誘い、人に誘ってもらったりしているうちに地域に入っていった。また、周りに応援したくなるプロジェクトを持っているプレイヤーが多く、目的のためというよりは自然な流れでやっている。
▼みんなが陥りやすいあるある
「ソーシャルに依る」→「ブランディング・デザインに依る」→「自分と向き合い、顧客と向き合う」
よくやりがちな3段階として、はじめから自分やお客さんに向き合うべきところ、社会的に良い事をしたいという善な部分などの身の丈に合ってないところからスタートし、それが売れないのはブランディングやデザインが悪いからじゃないのからと賞を取ることに頑張ることに労力をかけ、ようやく自分が何をしたいかに向き合い、お客さんと向き合うことに気づく。
▼社会的報酬の罠に気をつける
いいねと言われるとお金をもらったときと同じ脳の線条体が反応し、ビジネスとしてうまくいっていることと社会的なことはプロジェクトが拡大していくことと近しい部分があるので気をつけた方がいい。
中川さんのお話
▼広めたい価値とは
病気になった際にふんどしと出会い、感動したことをきっかけに、
「なんていい下着に出会ったんだ、広まれば元気になる人が増える」とこれまでブレず、使命感を持って商品開発をしてきた。
中川さんのこの経験から、迷った時には「何を広めようと思っていたのか」立ち戻って欲しいと言う。
▼ムーブメント(=ファン)の始まり
自分が好きでかつ盛り上がっているサウナに特化して商品を改良してきた中川さん。今では伊勢丹でのポップアップや多数メディアに取り上げられるようになったが、これには数々の仕込みがあってこそ。
「誰がファンになってくれるか、応援してくれるか、誰を経由して本当にいきたいところにいけるかは設計できるので考えるといい」と中川さんは言う。
▼ムーブメントを起こす3つのポイント
・はじまりは未来から見た30点
これでやってみようと決めたら、スピード感を持ってまずはやってみること。
・失敗や悩みの過程も発信→応援
いい部分だけを切り取って伝えても応援はされない、失敗や悩みも発信することでアドバイスしてあげよう、紹介してあげようと思ってもらえる。
・まずは他者からの評価を集めよう
SNS等でポスターのデザインアンケートをとってみる。意見が反映されることでますます応援してくれるように。余白を用意することでファンを巻き込むムーブメントの起こし方になる。
▼資金とクラウドファンディングをやってみた気づき
これまで3回クラウドファンディングに挑戦し、失敗や反省を踏まえた4回目は多くの応援を得て終了。
まずはやってみることが大事。プロセスを丁寧に公開することがファン獲得や応援してくれる人に繋がり、そういった人を巻き込んでチケット販売やクラウドファンディング等をやっていくことが大事だと中川さん。
▼メディアから取材されやすくなるポイントとは
「はじめのストーリー、ツッコミどころ、強いこだわり、ギャップ」
人の頭に残りやすいようなポイントが用意されていると、取材や応援されたりクチコミで広がっていきやすい要素になってくる。
最後に
3名からのお話から「まずはやってみること」の大切さを改めて感じたことと思います。自身のプロジェクトを広めるため、今回の話の中からどんなアクションからはじめてみるのか考える機会となったのではないでしょうか。
▷STAND IBARAKIとは
茨城をフィールドにあなたの想いをカタチにする学びと実践のプログラム。
地域のキーパーソンからの学びや、つながりを得ながら「自ら設定したプロジェクト」のプロトタイプを実践します。メンターとして迎えた県内外の地域プレイヤーからのサポート・フィードバックを受けながら挑戦できるのも特徴。あなたのはじめの一歩を応援します。
◎STAND IBARAKI (facebook) https://www.facebook.com/standibaraki
◎茨城移住計画(facebook) https://www.facebook.com/ibarakiiju
◎STAND IBARAKI https://standibaraki.jp
お問い合わせ ibaraki.iju@gmail.com
【主催】茨城県
【運営】茨城移住計画