活動レポート
DAY1|フィールドワークレポート前編【STAND IBARAKI 2022】
STAND IBARAKI2022フィールドワークを開催しました。大洗町とひたちなか市を周り、実際の先行事例の様子や、プロジェクトの舞台となっている町の空気から学んだ2日間の様子をお届けします。
開催概要
<開催日時/場所>
2022年9月3日(土)/大洗町
2022年9月4日(日)/ひたちなか市
フィールドワークレポート@大洗町
①大洗まいわい市場/常盤良彦さん((株)Oaraiクリエイティブマネジメント )
「分からなければ先行事例を学び指導を請う、コネがないなら直接交渉、自分達がまず動く」のスタイルで、「大洗まいわい市場」の立ち上げに関わった常盤さん。2011年の震災被害をきっかけに「PRではなく他所の人が町に遊びに来たくなるコンテンツづくり」に注力するようになり、プロレスイベントなど独自の企画で、大洗への集客実績を生み出してきました。
また、大洗を舞台にした人気アニメ「ガールズ&パンツァー」の現地コーディネートを担った人物こそ常盤さんで、アニメ放映後も、街の既存のお祭りや商工会とのコラボレーション事業にも携わり続けているのだそう。地元商店街とアニメファンとの暖かな交流の影には、常盤さんの地元への細やかなフォローが隠されているようでした。
そんな常盤さんの、プロジェクトオーナーたちへのアドバイスは「小さく一度結果を出すこと」。立ち上げ時は「オウンリスクをとれる人の集合体」でスタートし、結果を出しながら徐々に周りを巻き込むことがコツ、と常盤さんは語りました。
②Beach Culture Brewing/ 風間智さん
続いて、同じ大洗シーサイドステーション内にある「Beach Culture Brewing」へ見学に向かいます。
Beach Culture Brewingは、オーナーの風間さんが大洗に移住後、2021年8月にオープンしたクラフトビールの醸造所と併設のタップルーム。店舗の奥に並ぶタンクで大洗の海や風土を感じるクラフトビールを醸造しています。ビーチカルチャーを冠した店名の通り、風間さんが目指すのは大洗に「海岸文化」をつくること。ビールも理想の暮らしや文化を実現するアイテムの一つと捉えているのだそう。今後もビールに限らず、新たな文化やライフスタイルを大洗に根付かせるべく活動予定です。
③OURoom/葦原亜由美さん
次に向かうのは、STAND2021の参加者葦原亜由美さんによる月額制別荘サービス「OURoom」。大洗の町や海を一望する高台の敷地に、滞在スペースとなる白いコンテナが3つ並んだ空間です。OURoomは「いつもの居場所がふたつある暮らし」がコンセプトの二拠点生活向けサービスで、県外に住んでいた葦原さん一家が、コロナ禍をきっかけに暮らし方を見つめ直したことを起点にスタートしたプロジェクト。関東近郊に住む人をターゲットに、家族での利用やリモートワークでの使用を想定しているのだそう。現在プレオープンを迎え、本格始動は2022年10月を予定しています。
プロジェクトを実現させた先輩参加者によるエピソードや、実際に作り上げた空間を前に、本年度PJオーナーたちからは活発な質問や、それぞれが感想を口にする姿が見られました。
④大洗サンビーチキャンプ場/光又新二さん
コロナ禍をきっかけにアウトドア人気が高まりを見せていますが、キャンプもその代表のひとつ。大洗町は立地も手伝って、都内をはじめ関東圏からキャンプに訪れる人が急増した地域のひとつなのだと言います。
仕事でキャンプ場の運営に関わる前より、バックパッカーをしながら世界中でキャンプを楽しんできた光又新二さんは、自分が親しんできたキャンプに関わる人が増えたことを喜ぶ一方で、キャンプの初心者が大洗の海や山の環境を汚してしまう現場を目の当たりにし、ショックを受けたのだそう。そこで起こしたアクションは、キャンプの教科書をつくること。書籍は2021年に「初めてでも安心 ルールとマナーがわかるキャンプの教科書」のタイトルで出版されています。
そんな光又さんは現在、茨城県を「アウトドア県」とすべく邁進中だと語りました。
⑤風にころがるTシャツ展/栗原敬太さん
「風にころがるTシャツ展」は、写真やイラストの作品をTシャツにプリントし、大洗の砂浜に展示するという試み。主催の栗原敬太さんが高知県黒潮町を訪れた際に鑑賞した「砂浜美術館」の展示に感銘を受けたことがきっかけで、大洗町でもスタートすることになった取り組みです。プロジェクトの立ち上げは栗原さんひとり。砂浜美術館の主催者に自ら交渉したことで実現したのだそう。
栗原さんによるTシャツ展は2020年からはじまり、展示期間中は大洗の海岸に、何十もの白いTシャツが並んで翻る景色が生まれます。
⑥焚き火と本/佐藤穂奈美さん
1日目のフィールドワーク最後は「地元で小さく起業する」例についてのお話を伺いました。
商店街にある「焚き火と本」は、大洗にUターンしてきた店主の佐藤穂奈美さんが、2021年にオープンしたブックカフェ。店内の書籍は多くが購入可能で、テーマごとに分けられた本棚に並ぶ本のラインナップは、それぞれ別の選書者によるものです。本に興味を持った人は、選書した人ともつながることができる仕組みになっているのだとか。整備に資金をかけずとも「仕組み」で面白くすることができると佐藤さん。
また、店舗は元は衣類店の建物で、佐藤さんが子供の頃には、学校指定のジャージを買いに行った思い出がある場所なのだとか。帰郷し、少ない資金で起業を模索する中、テナントを紹介し融通してくれたのは地元の人たちのつながりだったのだそう。
▷STAND IBARAKIとは
茨城をフィールドにあなたの想いをカタチにする学びと実践のプログラム。
地域のキーパーソンからの学びや、つながりを得ながら「自ら設定したプロジェクト」のプロトタイプを実践します。メンターとして迎えた県内外の地域プレイヤーからのサポート・フィードバックを受けながら挑戦できるのも特徴。あなたのはじめの一歩を応援します。
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【主催】茨城県
【運営】茨城移住計画